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97.1.1
「体育の科学」編集委員長
(株)杏林書院 担当者 御中
早稲田大学 中村好男
「インターネット時代のスポーツ科学」連載にあたって
- 内容は、当初の依頼時に容易に予想されたものとはかけ離
れたものになってしまったとは思いますが、その顛末につい
ては第1章に記載し、そして、連載を貫く精神については第2
章にほのめかしております。
なぜ、このようにイントロが2章になったかとい
うと、第1章のような書き方は編集委員の方々の顰蹙を買う
のではないかと思い、実際には第2章から初めてもらっても
良いと思ったからです(その場合には、第一章の最後の付記
[山本君へ:current.texです]は、第二章末尾に記載してく
ださい)。もちろん、第1章からそのまま掲載していただく
ことが私の希望ですが、それはあまり強い希望ではないとい
うことです。
- 今回は現時点での5章分をまとめて送付しておりますが、
これは、当面の方向がつかめるようにと提出したもので、第3
章以降は、実際には毎月の締め切り時に1章づつを個別に送付
させていただきたいと思っております。したがって、第三章以
降の毎月の原稿提出について、「いつまでに、どのような形で」
送付したらよいかをご返信ください。
- この項は最も大切な事項ですが、今回の「連載」にあたっ
ては、(第一章末尾に触れたとおり)その元の著作(以下、
「本書」)を私の開設しているwwwのディレクトリ上で先に公
開することをご了解頂だきたく思います(この時点で既に公開
されています)。すなわち、そこに記されているように、今回
の「体育の科学」誌上への掲載は、「未発表記事の掲載」なの
ではなくて、「wwwファイルからの転載」という形にしていた
だきたいということです。これは、今回の連載テーマを完結す
る上での「実験」の意味あいを含んでおり、この形態での発表
についてのechoがあった場合には、それを取り上げる形で連載
を進行させていただきたいと考えているからです。そして、こ
の文書自体ならびに編集部からの返信についても、特にご異論
がなければ「関連資料」としてホームページ上で公開させてい
ただくこととさせていただきます。(したがって、返信は電話
ではなくできるだけ文書でお願いします。)また、今回送付の
第一章につきましては、誌上掲載の有無にかかわらず、ホーム
ページ上の文書はそのまま掲載を続けます。
- 「本書」を含む上記のwww上の全ての公開物は、私が文書
を更新した時点で適宜更新されますし、私の判断で予告無くそ
の一部あるいは全部が変更あるいは削除されることがあります。
- 今回の誌上転載も、体育の科学の規定に従えば「原稿料」
の支払い対象に相当する可能性があるのではないかと思われま
す。そして、一般的に「原稿料」というのは、出版社の制作物
(その版権は出版社にある)の上に、著者が著作権を持つ著作
物を「使用する」ための使用料に相当するものと、私(中村)
は理解しています。この理解が正しければ、今回の「転載」に
ついても原稿料が規定通り支払われることになるかもしれませ
ん。しかしながら、以下の事例を想定した上で、
- 一般的に出版社としてはそのような事態を許容する
のかどうか。
- そもそも「原稿料」とは何の代価であって、著者や
著作物に対してどのような制約を与える性質のものであるの
か。
- また、原稿料授受の有無に限らず、一般的に、誌上
に掲載された著作物が他に転用されるに際して、著者にはど
のような倫理的責任が課せられるのか。
について、ご回答をいただきたく存じます。これは、今後の研
究者の情報発信形態を考える上での資料とさせていただくと共
に、可能であればその集約を、「本書」に掲載したいと思って
います。
- 事例I)
- www上に公開された「本書」の一部または全部を、
その読者がダウンロードして自分のプリンタで印刷し、それ
をコピーして配布する。(私はこれを自由に認めたいと考え
ています)
- 事例II)
- www上の「本書」を読んだ第三者が、別の誌上
あるいは単行本の形で、「体育の科学」誌上に掲載したのと
同じ内容(あるいは一部あるいはそれ以上)を転載利用する。
(「本書」についてはそのような依頼があるとは思えません
が
、今後の出版形態を考える上では避けて通れ
ない問題だと考えました)
- 前項に関連して、基本的に私は今回の転載に関して原稿料
をいただきたくないと考えています。しかし、ただそれを言う
だけでは、前項のような問題に対する解決を先送りして責任の
がれをしていることにつながりますので、5)項の質問に対す
る返信をいただいた上で、私の立場を明瞭にさせたいと思って
おります。したがって、上記の3、4)をご了解いただいた上
で、なおかつ、5)において、事例IあるいはIIに類似したい
かなる事態が生じても法的・倫理的問題が生じないという返信
をいただいた場合には、喜んで、原稿料をいただきます。もち
ろん、なにがしかの問題が生じそうな場合には「喜んで」原稿
料をいただきません。
- 今回の原稿送付は厳密には「提出」ではありません。もち
ろん、編集委員会におかれましても査読やあるいは内容吟味を
経た上で「掲載許可」が与えられるものと思いますので、その
手続きに供していただくことは、私の望むところであります。
しかし、「上記の全てに対して適切な返信をいただいた上で、
私が納得する」ということを、今回の「転載」の条件とさせて
いただきたく思います。
- このように勝手なことをいう著者は希有だとは思いますし、
権威ある「体育の科学」誌に掲載させていただくにあたってそ
のような注文を付けるのは言語同断なこととは思いますが、せっ
かくの機会なので、「インターネット時代」における「研究交
流」と「学術情報の発信」に関するありとあらゆることについ
て、その意味と方向を模索したいという私の崩芽的な試みとし
て、ご寛容いただけると幸いです。
- ついでながら著者校正は、こちらにfaxで送っていただい
たものを基本的には山本君を介して電子メールで返送するとい
う形にしたいと思います。もし、こちらからのfax送付の方法
が容易であることを発見した場合には、その時点でまた、ご連
絡いたします。
以上
Yoshio Nakamura
Mon Dec 27 10:02:29 JST 1999