それならばいっそのこと、「インターネットによる研究交流」
の現実を紹介したらどうだろうか。ちょうど電話の直後の広島
での体力医学会の折りに、若手研究者の間でインターネットを
利用した研究交流の構想が持ち上がった。「WAKANET」と名付
けられたその試みは、今では
ExerSciZ(http://www.komaba.ecc.u-tokyo.ac.jp/~
cshino/ExerSciZ/)
として公開されている。そして、関連分野のweb siteはこのホー
ムページ上でリンクされているから、「What's New」の内容を
転載していくことで必須web siteも網羅されるのではないだろ
うか。
これなら、その管理者にすべてを任せれば良いし、私はコーディ ネートするだけだから圧倒的に楽なはずだ。ただし、まだ海の ものとも山のものともわからないExerSciZを題材にして連載が 維持できるかどうかが問題である。また、これが継続的に発展 していく保証もない。それよりも問題なのは、そもそも、web にアクセスできる人にとって、この「体育の科学」誌上に2,3 カ月遅れで掲載される情報に何の意味があるのだろうか、とい うことである。「ネットスケープの持ち主にはなんら新しい 情報を提供せず、インターネットと無関係の人には単に指をく わえさせるだけ」という連載には、おそらくたいした意義はな いだろう。